債務(借金)の整理のときにかかる弁護士の費用が心配
債務整理をする決断まで気持ちができたとしても、どうしても気になってしまうのが専門家へ支払う費用です。いくら「相談は無料です。」といわれても相談しているうちに手続きに進んでしまうという状況になったとき、やはり不安です。
ただでさえ返済に追われる日々なのに、これ以上問題が起きては困ります。
しっかり確認してから依頼を検討できるように債務整理案件に対応することができる、弁護士に依頼をした場合の相場についてまとめてみました。
債務整理の費用は手続きの内容によって、発生する費用が異なってきます。
弁護士費用の内訳
弁護士費用について、一律の基準はなく、原則として、弁護士それぞれが自由に定めることができます。日本弁護士連合会では、以下のように定めています。
弁護士費用の内訳ですが、「着手金」「報酬金」「減額報酬」「過払い報酬」「手数料」となります。
着手金 | 成功・不成功のある事件について、結果のいかんにかかわらず受任時に受領する報酬 |
報酬金 | 成功・不成功のある事件について、成功の程度に応じて受ける報酬 |
解決報酬金 | 業者との事件が解決したこと自体により発生する報酬金 |
減額報酬金 | 業者が主張する債権額と実際に支払うことになった金額との差額(減額分)をもとに算定する報酬金 |
過払金報酬金 | 回収した過払金額をもとに算定する報酬金 |
手数料 | 成功・不成功がない事務処理の報酬 |
着手金
着手金は、結果に関係なく弁護士に支払う弁護士費用の一部です。前金(費用の一部を先に支払うお金)とは違います。裁判などが不成功に終わっても、支払った着手金が戻ってくることはありません。また、途中で弁護士を解任しても戻ってきません。
報酬金
報酬金は、結果の成功の程度に応じて支払う弁護士費用です。債務整理は4つの方法がありますが、それぞれ費用が違ってきます。
減額報酬金
債務整理することによって、減額された借金の額から算出される費用です。減額分の10%以下。
過払金報酬金
訴訟によらない場合回収額の20%以下。 訴訟による場合回収額の25%以下。
債務整理の種類ごとの弁護士費用目安
任意整理は、裁判所を介さないため手続きが柔軟に行える一方で、強制力がないため、相手との交渉次第で債務整理の内容が変わります。よって、専門家に依頼することが必要になります。
着手金 | 1業者につき3万円前後 |
報酬金 | 原則として1業者あたり2万円以下まで |
減額報酬金 | 減額分の10%以下 |
過払金報酬金 | 訴訟によらない場合回収額の20%以下。 訴訟による場合回収額の25%以下 |
特定調停は、裁判所の調停位委員に貸金業者との間に入ってもらい、調停の場で新たな返済計画を立てます。「特定調停」は裁判所を利用した「任意整理」ともいえます。借金総額の2~3%を毎月返済できるようなら利用する価値があります。
手続きは弁護士・司法書士に依頼せず、本人が行うために費用が安く済みます。基本的に収入印紙代と郵便切手代です。
※各裁判所により多少異なる
特定調停申立書貼用印紙 | 債権者1社につき 500円 |
郵便切手 | 1社1450円分 貸金業者1社が増えるごとに+250円 |
個人再生は、返済額を少なくした上で原則3年で返済する手続きです。住宅を維持したままでの債務整理も可能です。
着手金 | 住宅ローン特則なし20~30万円/住宅ローン特則あり40万円 |
報酬金 | 20~50万円 |
裁判所への予納金など | 3万円 |
自己破産は、裁判所からを免責(借金の責任を免れる)してもらうことによって、借金の支払い義務を免除してもらう(=借金をゼロにする)手続きです。
手続きには、「同時廃止事件」と「管財事件」の2つに分けられます。 簡単に言うと「同時廃止事件」は、財産がほとんどない場合。「管財事件」は、財産がある場合。
費用は申し立て費用と弁護士に依頼をする場合は弁護士費用がかかります。
申し立て費用 | |
収入印紙 | 1500円 |
郵便切手 | 約5000円 |
予納金 | 約1万円 |
※詳しい、費用は裁判所によって異なります
弁護士費用 | |
着手金+実費 | 20~50万円 |
報酬額 | 20~50万円 |
※着手金・報酬額は各事務所によって異なります(あくまでも一般的料金です)
弁護士費用は分割払い・後払い対応事務所で解決できる
簡単に費用の目安を書きましたが、特定調停を除いては「お金がかかる」というのがわかります。せっかく債務整理を決意してもこんなに費用がかかるのでは弁護士費用が払えないという人のほうが多いのではないでしょうか。
それでは、債務整理に成功した人はどうやって弁護士費用を捻出したのでしょうか。
専門家である弁護士さんも多重債務の人がお金がないということはわかっているわけです。弁護士に依頼をするとその時点から督促が止まります。そのため、毎月○○万円の返済を、しばらくの間返済しなくて良くなります。
その借金返済に充てていたお金を弁護士費用の分割払いにするということで、弁護士費用の支払いが可能になります。費用が払えるように、多くの弁護士事務所が分割払い・後払いに対応しているところが多いです。