債務(借金)の整理に必要な費用【法律事務所の相場比較】
債務整理の無料相談までなんとかたどり着いたけれど、次に心配なのは「弁護士費用」です。弁護士費用は一律の基準はなく、原則として、弁護士それぞれが自由に定めることができるようになっています。
なにしろ法律には一般人は無知なので提示された弁護士費用の金額が相場くらいなのかどうかはわかりません。けれども大体の弁護士費用の相場というものを知っていれば、余計な出費も避けられます。
法律事務所を選ぶ判断基準のひとつとして参考にしてみてください。
弁護士費用の基礎知識
借金の問題を抱えて専門家に債務整理を依頼するとなると、費用はいくらかかるのか?法律事務所はどこも同じくらいの費用なのか?どこが安く依頼できるのか?
心配しだしたらキリがないことですが、それではいつまで経っても苦しい借金返済から逃れることができません。少しでも債務整理についての知識をつけて不安を解消してきましょう。
依頼費用の内訳はどうなっているか
- 相談料:相談料の相場は30分で5000円(税抜)程度です。相談をしらからといってその弁護士に依頼しなければならないというわけではありません。最近では相談料無料の事務所が増えてきています。
- 着手金:着手金とは、結果の成功、不成功に関係なくに、弁護士にその案件に対応してもらうために支払う弁護士費用の一部です。正式に依頼する段階で支払う必要があります。相談内容によって値段はかわってきます。法律事務所によっては着手金無料のところもあります。
- 報酬金:報酬金は、結果の成功の程度に応じて支払う弁護士費用です。債務整理は4つの方法がありますが、それぞれ費用が違ってきます。
- 手数料:手数料は事務手続きなどの費用として支払います。
- 実費:問題解決のために実際にかかったお金です。具体的には、出張費・出頭費・交通費・宿泊費・通信費・申立印紙代・郵便代などが該当します。
- 日当:日当は必ず発生するものではありませんが、出張日当や出頭日当がかかる場合があります。
おおまかな内訳ですが、追加で発生する費用はあるのか、支払うのはどのタイミングなのかなど納得いくまで相談してください。
弁護士・司法書士の報酬規定 曖昧な報酬規定には注意
弁護士は日本弁護士連合会、司法書士は日本司法書士連合会によりそれぞれ報酬の項目を「解決(定額)報酬」「減額報酬」「過払い金回収報酬」に限定して、それぞれについて上限を定めています。
任意整理(裁判所を通さず債権者と交渉し、債務の分割払いに関する和解をする手続です。 破産や個人再生と異なり、裁判所を介さないので、柔軟な解決が可能です。)
- 着手金 : 2万円×債権者数(ただし、最低5万円)債権者が商工ローンの場合は1社5万円(ただし、最低10万円)
- 報酬金 : (1債権者について、次のa・b・cまでの金額の合計額が上限)
- a基本報酬額 : 和解が成立して、または過払い金の返還を受けたときは2万円
- b減額報酬金 : 残元金(利息制限法による引き直し後)の全部または一部の請求を免れた金額の10%相当額
- c過払金報酬 : 過払金の返還を受けたときは、返還を受けた過払金の20%、訴訟での解決は25%
- 分割返済金代理送金手数料 : 金融機関の送金手数料を含め、1件1回1000円を上限とする
個人再生(裁判所を通して債権者と交渉し、借金を減額してもらう方法)
- 着手金 : 30万円
- 報酬金 : 事案簡明な場合20万円
- 分割返済金代理送金手数料 : 金融機関の送金手数料を含め、1件1回1000円を上限とする
自己破産(裁判所を通して財産を清算し、借金を免除してもらう方法)
- 着手金+実費 : 20万円~50万円
- 報酬金 : 20~50万円
法律事務所のホームページを見ると大体このような明記がなされています。また、自身が債務整理をするにあたって、多くの法律事務所のホームページを見ているうちに、「経済的利益の○○%」というものを見つけました。「経済的利益の○○%?というのは、なんだろう?」
解決(定額)報酬、減額報酬、過払金回収報酬という区分ではなく、「得た経済的利益に対する○%」を報酬としているところがあります。「経済的利益」を基準とする設定の場合、多くは減額した金額と回収した過払金額の合計額を「経済的利益」としているようです。
法律事務所のホームページに「経済的利益の○○%」とという明記がされている場合は何に対してのパーセンテージかよく確認する必要があります。
弁護士・司法書士の報酬は自由化されています。けれども、日本弁護士連合会、日本司法書士連合会によりそれぞれ報酬の項目を「解決(定額)報酬」「減額報酬」「過払い金回収報酬」に限定して、それぞれについて上限を定めています。
法律事務所のホームページもそれにそった報酬項目になっているのでおおまかな料金はわかります。あとは、無料相談したときによく確認することが必要です。
次に債務整理に強い法律事務所の相場比較を見てみたいと思います。
債務整理に強い法律事務所の相場比較
ここでは、ホームページ上で料金表明記・全国対応・相談料無料・休日対応・費用後払い・分割払い対応可など柔軟に対応してくれる事務所を比較してみます。
※順不同
※最新の情報は必ず法律事務所のホームページを確認してください。
弁護士事務所名 | 相談 | 対応エリア | 相談受付 | 分割払い |
---|---|---|---|---|
岡田法律事務所 | 無料 | 全国 | 土日祝日も対応 | 可 |
サルート法律事務所 | 無料 | 全国 | 24時間365日可(メール)・土曜日は事前予約で面談可 | 可 |
リヴラ総合法律事務所 | 無料 | 全国 | 土日夜間24時間可(メール) | 可 |
樋口総合法律事務所 | 無料 | 全国 | 24時間365日可(メール) | 可 |
天音法律事務所 | 無料 | 全国 | 夜間・土日休日 | 可 |
板垣法律事務所 | 無料 | 全国 | 休日・夜間 | 可 |
司法書士事務所 | 相談 | 対応エリア | 土日相談 | 分割払い |
---|---|---|---|---|
はたの法務事務所 | 無料 | 全国(全国出張料金無料) | 24時間365日年中無休(メール) | 可 |
ジャパンネット法務事務所 | 無料 | 全国 | 24時間受付中(メール)/フリーダイヤルは年中無休で午前9時から午後9時まで対応 | 可 |
アヴァンス法務事務所 | 無料 | 全国 | 24時間受付中(メール)平日9:30~21:00/土日祝9:30~19:00以外は一時受付のみで、相談業務は翌営業日 | 可 |
司法書士法人杉山事務所 | 無料 | 全国 | 24時間365日(メール) | 可 |
任意整理の費用比較
弁護士事務所名 | 着手金(1社) | 報酬金(1社) | 減額報酬 |
---|---|---|---|
岡田法律事務所 | 20,000円 | 20,000円 | 10% |
サルート法律事務所 | 49,800円 | 19,800円 | 10% |
リヴラ総合法律事務所 | 39,800円 | 19,800円 | 10% |
樋口総合法律事務所 | 39,800円 | 19,800円 | 10% |
天音法律事務所 | 39,800円 | 19,800円 | 10% |
板垣法律事務所 | 20,000円 | 20,000円 | 10% |
司法書士事務所 | 着手金(1社) | 報酬金(1社) | 減額報酬 |
---|---|---|---|
はたの法務事務所 | 0円 | 20,000円 | 10% |
ジャパンネット法務事務所 | 0円 | 45,000円 | 0% |
アヴァンス法務事務所 | 40,000円 | 39,000円 | 0% |
司法書士法人杉山事務所 | 0円 | 50,000円 | 0% |
仮に、貸金業者7社、借金総額300万円で任意整理を依頼したところ、50万円減額できて借金総額は250万円に減ったという想定で計算してみました。
A社
20,000円 × 7社 = 140,000円
20,000円 × 7社 = 140,000円 合計330,000円
(50万円減額の10%)=50,000円
B社
20,000円 × 7社 = 140,000円
49,800円 × 7社 = 348,600円 合計538,600円
(50万円減額の10%)=50,000円
C社
39,800円 × 7社 = 278,600円
19,800円 × 7社 = 138,600円 合計467,200円
(50万円減額の10%)=50,000円
数字だけで見ると費用の差はかなりあるということと司法書士のほうが安いことがわかります。安いことに越したことはないのですが、司法書士に依頼する場合は、取り扱うことのできる限度額が140万円となっています。
借金および過払い金が140万円以下の場合をさしています。弁護士の場合は借金であっても過払い金でも取り扱うことのできる限度額に制限はありません。ただ単に費用の安さだけで選ぶというわけにはいかないわけです。
自分が無料相談をして思ったことは、それぞれの借金事情が違うので、相談をしてみてわかったことがたくさんありました。また、勘違いしていたことなどもありました。
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